前回に続いてアマチュア無線のデジタル通信の話題です。
いよいよFT8についてテストしました。
https://www.qsl.net/w1dyj/FT8%20for%20web.pdf
以下、上記FT8についての参考資料より
WSJT ~ Weak Signal Joe Taylor
WSJT is a computer program for amateur VHF/UHF communication using
state-of-the-art digital techniques. It can help you to make contacts using fraction-of-a-second
signals reflected from meteor trails, as well as steady signals more than 10 dB below the threshold
of audibility.What is FT8?
Named for:
Steven Franke: K9AN & Joe Taylor: K1JT
An 8 tone -frequency shift keying format [FSK] [1 baud = 3 bits]
15 Second T/R timing
Tone spacing: 6.25 Hz
50 Hz bandwidth
77 bit word + 14 bit CRC
2^77 = 151,115,727,451,828,646,838,272
(about 1.5 x 10^23) possible messages.• Designed for WEAK SIGNAL Qs
• Absolute minimum QSO info
• Maximum of 13 free form characters (TX5)
• Very structured syntax
• Both ends use same syntax [automated]
FT8という名前は、Franke Taylor 8 FSK からきているようです。
弱い電波でも通信できるため、小規模通信システムでも海外とのやりとりができるので人気のようです。
今回も実際の電波を録音できなかったため、下記ライブラリを使ってメッセージをエンコードしました。
https://github.com/kgoba/ft8_lib
ファイルのスペクトルを見てみます。
前回のTeletypeのようなデジタル的なビーギャーという音と違って、ピッチがうねうね変化するような音でした。(8FSKだからなめらか) 15秒単位でデコードされるためファイルの長さは15秒以内に収まっています。
この.wavファイルをWSJTという実際に無線機と接続してデコードするソフトを使って試してみました。(wavファイル再生音をWSJTでモニタするには最下部の動画参照)
https://physics.princeton.edu/pulsar/K1JT/wsjtx.html
右下の緑のバーが15秒単位でデコードされる様子を表しています。このタイミングをみて音声ファイルを最初から再生します。2回再生したため、2回デコードされています。
スペクトルから1回休みを挟んで2回再生したことがわかります。
ソフトの設定としては受信だけですので、ファイル->設定->オーディオ で入力を”CABLE Output(VB-Audio Virtual Cable)” 、モード->FT8、としました。
Windowsのサウンド設定では、出力を ”CABLE Input(VB-Audio Virtual Cale)”にしました。
エンコードしたメッセージがデコードされるという簡単なテストてすが、実際の通信ではもっと興味深いことができるようです。
アマチュア無線というと、年齢層が高めの趣味みたいになってきていますが、今の時代にも新しいアイディアをもたらしてくれます。現代の高度な通信システムを使っているときは感じられない「自由」みたいなものが、何かほっとさせてくれるものがあります。人間の本能的なものに近い何かがあるのかもしれません。
VB-Audio参考動画