Ethereum Name Service

イーサリアムのウォレットアドレスを*.ethという名前で表現できるようにするサービスで、インターネットのドメインネームサービスのようなものになります。
メリットは、長い16進数を名前で表現できるので間違いのリスクが減らせる(そもそも手入力は非推奨なので間違いよりもわかりやすさか)こと、ディメリットはDNSでもそうですが名前変換のときに改竄される危険性があるということです。
この賛否よりもまず何ができるかに興味があったので、Twitterで使用している”tibit”という名前を取得したときのメモです。

取得にあたっては、登録料は、一年0.002ETH($5)ほどなのに、ガス代(ブロックチェーン登録手数料)を含むと10倍以上くらいになってしまい、その上登録の途中でウォレットのコインが不足しやり直したため、さらに倍くらいかかってしまいました。(同じ名前を登録しようとしている人がいないかというチェックのため、段階を踏んで登録をするみたい)
ブロックチェーンはやり直しがきかないため注意が必要です。イーサリアムのガス代が高いという批判は、そのとおりだと思いました。
さて何ができるようになったかですが、まずメタマスクフォレットでtibit.ethと入力するとアドレスが表示されるようになりました。これは当然ですが、次にNFTマーケットOpenSeaのコレクションにtibit.ethが追加されました。つまりこの名前を売ることができるようになりました。

あと https://tibit.eth.xyz というサイトが自動的に作られ、OpenSeaと連携していて名前が表示されます。

ここまではウォレットのアドレスを名前で表現するようにしただけですが、マイENSの設定から、様々なサービスでもこの名前を使ってアカウントを表現できるようです。ただ登録には、高額の手数料がかかってくるため積極的には使う気にはなれませんでした。
(ちなみにOpenSeaの名前以外他のコンテンツ登録はポリゴンチェーンを使うとガス代なしでできます)

これらを登録すると、SNS、各種サービスやその他コインがENSに紐づくことになります。ウォレットがユーザ認証の役割をすることもでき、支払もできることを考えるとなかなか強力のしくみです。
ここで一つ興味深いのが「コンテンツ」の項目です。ここにはipfsのコンテンツIDを記述します。
ここに記載したコンテンツには、https://tibit.eth.link というURLでアクセスできるようです。(現在はマイENSで登録していないので無効です) ipfsや関連技術についてはいろいろと深いので、また次の機会にとりあげたいと思います。
DNS情報はどのようになっているのか、調べてみました。
参考) https://eth.link/

$ nslookup tibit.eth.link
Server: 172.30.112.1
Address: 172.30.112.1#53

Non-authoritative answer:
tibit.eth.link canonical name = resolver.cloudflare-eth.com.
Name: resolver.cloudflare-eth.com
Address: 104.18.166.219
Name: resolver.cloudflare-eth.com
Address: 104.18.165.219
Name: resolver.cloudflare-eth.com
Address: 2606:4700::6812:a6db
Name: resolver.cloudflare-eth.com
Address: 2606:4700::6812:a5db

$ curl -H ‘content-type: application/dns-json’ ‘https://eth.link/dns-query?type=TXT&name=tibit.eth’
{
“AD”:true,”CD”:false,”RA”:true,”RD”:true,”TC”:false,”Status”:0,
“Question”:[{“name”:”tibit.eth.”,”type”:16}],
“Answer”:[{“name”:”tibit.eth”,”type”:16,”TTL”:3600,”data”:”\”a=0x1bab8fcC0C773F9D7793668b360BB18d9B15601b\””}]
}

ウォレットのアドレスが確認できます。マイENSに登録するとレコードの情報が増えるのでしょう。(ipfsなど)
ENSはCDNサービスのCludFlareを利用しているのですね。今海賊版コンテンツで訴えられたいますが、早いDNSとして定評があるようです。

ソラナにも同様なネームサービスがありますが(*.sol)、こちらはまだイーサリアムのような活用方法がないので、いまのところ保留にしています。登録料が抑えられているのは魅力です。(オークションもできるみたいですが、ネーミングサービスのオークションはあまりそそらない・・それが使えなければ違う名前を考えればいいし、需要があるならソラナ以外も始めることなので・・オークション目的で取得するユーザが多いと、有名企業など本当に使おうとしたときそのサービスをきらうようになる・・)

ENSにしろipfsにいろこれまでのインターネットとはまた違うエコシステムの動きで興味深いです。
DNSというのは、インターネットのしくみそのもので、これをいじることはインターネットそのものを作り変えることにもなります。(オルタナティブルートでインターネットの分断も可能) Decentralized Dns のHandshakeなどはこの動きに拍車をかけるかもしれません。以前Dynamic DNSに興味を持ち、そのサービスをしようと、今もメインで使っている短いドメインネーム、*.iiv.jp を取得しました。結局テストだけで終わりましたが、そのとき検証したOpenIDなどのアイディアでインターネットの面白さを味わいました。ENSの動きは、インターネットをよりアグレッシブにするのではないでしょうか。

このWeb3.0といわれる関連のビジネスはとてもホットで、GAFAMをも脅かすのではといわれています。
この分野は目がはなせないです。

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